西伊豆町の山中に知る人ぞ知る絶景スポット「丹野平」があります。伊豆半島で野生の狼が最後に目撃された場所と言われ、今でもアクセスの悪さから訪れる人はあまり多くはありません。12月とは思えない暖かい穏やかな日に訪れました。
駐車場脇に建つ小屋の脇から舗装路を徒歩で約20分上ります。丹野平の標高は712M、駐車場からの標高差は約150Mです。駐車場までの道路も細く杉の小枝が散乱するなど状態が悪く観光客向けに管理されているとは言い難いです。林業と近隣住民のための最低限の道路なのでしょう。ちなみに、小屋にはトイレもありますがよほどの腹痛でもない限り絶対に使いたくない感じでした。
歩き始めてしばらくすると広葉樹が目立ってきました。まだ紅葉が進んでいない木々が目立ちます。
さらに進むとヒメシャラの木々が増えてきます。ヒメシャラの高木の奥のヤマモミジの紅葉が鮮やかです。
頂上直下のヒメシャラの林。美しい景色。伊豆半島・天城周辺では自生するヒメシャラをよく見かけますが、これほど密集している場所は珍しいと思います。上部にはまだ紅葉した葉が何とか残っていました。
地味に急登の山道を登ること20分、なだらかで開けてきました。目の前の木々が丹野平の入口です。
丹野平入口のモニュメント。ここは伊豆ジオパークではないので成り立ち等の説明板はありません。ここまで来ると周囲の絶景が目に入ってきます。ゴツゴツした大きな岩がそこら中に転がっています。
とても広い場所です。伊豆の山々と駿河湾、南アルプスや富士山まで360度展望が開けます。少し雲が多めですが風があまりなく日差しがあって最高の気分。円形の案内板で周囲の山々を同定できます。きれいなベンチやテーブルも設置されていて雄大な景色を眺めながらゆっくりと昼食を取りました。また、以前の写真で見た山頂の碑とトイレは撤去されているようです。
北側の橋には「山犬石」という看板が。これは「おおかみいし」と読むそうです。看板の奥に狼が遠吠えしていそうな大きな岩がありました。周囲から隔絶されているこの場所なら最後まで狼が生息していても不思議では無い気がしました。
入口のオオバヤシャブシとヒメシャラなどがシンボルツリーのようで綺麗です。普段はとても風の強い場所のようで、背の高い木はこれ以外には見当たりません。それと、完全に枯れていましたが足下には無数のアザミが生えていました。ヤシャブシの実もたくさん落ちていました。
こんなにも気持ちのいい場所を小一時間独り占めできて最高でした。今度は芝が青々としている季節に訪れたいと思います。